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会社における成果主義のメリット・デメリットとは?

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(写真=4 PM production/Shutterstock.com)

成果主義はバブル崩壊後の1990 年代後半から 2000 年代初頭に欧米から輸入され、人事評価のものさしの一つとして日本でも採用されてきました。成果主義は正しく運用すれば、人材育成や能力開発、社員のモチベーションアップなどに役立つのですが、同時にデメリットも存在します。

そこで今回は成果主義のメリットとデメリットを解説し、成果主義が抱えるデメリットを解決するために、日本企業に求められている人事評価のあり方について考えます。

成果主義のメリット・デメリット

成果主義の大きなメリットは、「数字などの客観的な指標に基づいた評価が、企業の業績向上につながる」という点です。すなわち成果が報酬につながり、報酬が意欲につながり、意欲が成果につながり、成果が業績につながるという考えです。

しかし成果主義にはもちろんデメリットもあります。それは「正当に評価されなくてモチベーションが下がる」「自分の成果を重視しすぎて、人間関係が悪化する」「失敗を恐れて高い目標を設定しない」といったものです。

例えば、1999年に成果主義を導入した三井物産では、マニュアル化できないようなノウハウや人脈を伝えあうもともとの文化がなくなり、「人に教えると損」という考え方が広まってしまいました。

また2002年に起きた「国後島ディーゼル不正入札事件」や、「ディーゼルエンジン排ガス浄化装置(DPF)性能試験データ改ざん事件」にも、短期的・短絡的な成果主義とコンプライアンスのせめぎあいがあったと言われています。

成果主義を失敗させる4つの問題点

三井物産に見られるような成果主義の機能不全は、今もあちこちで起きています。その原因は、成果主義が持つ問題点を無視しているからで、その問題点は以下の4つです。

・成果を正当に評価しているか?
・意欲に対する金銭的報酬以外の要素も考えているか?
・成果達成が困難な仕事をどうやって評価するのか?
・個人業績を重要視することで、企業全体の業績はおろそかになってないか?

成果主義を含む人事評価制度の本来の目的は、人材育成や能力開発です。それが実を結んで初めて、成果主義の導入が企業の業績向上に役立ちます。しかし、この4つの問題を解決しないまま成果主義を導入してしまうと、先ほどのデメリットが表面化するのです。

「ノーレイティング」は日本の成果主義の問題を解決できない

従来型の成果主義が抱える問題の解決策として注目されているのが「ノーレイティング」という人事評価です。ゼネラル・エレクトリックやマイクロソフト、アドビシステムズなどが導入したことで話題なりました。

ノーレイティングとは、四半期〜1年に1回だけ人事評価を行う従来型の定期的な評価をやめて、高頻度の1on1ミーティングやコーチングを導入して、流動的に人事評価を行うという方法です。しかし、成果主義の導入に失敗した企業がこのノーレイティングを採用しても、結局また同じ失敗を繰り返す可能性があります。

というのもノーレイティングは目まぐるしく変化するグローバルなビジネス環境に柔軟に対応し、より環境に適した人材育成と能力開発を行うために、時期を決めずに成果の評価を繰り返す方法だからです。

そのため成果主義が抱える4つの問題点を解決しないままでは、ノーレイティングの導入でも失敗する可能性が高いのです。

必要なのは「新しい評価方法」ではない

今の日本企業の成果主義を修正し、人事評価制度の本来の役割である人材育成や能力開発の道具として機能させるために必要なのは、ノーレイティングのような新しい評価方法ではありません。

必要なのは成果主義が抱える4つの問題点を先に解決することです。この点を間違えてしまうと、バブル崩壊後の日本企業と同じ過ちを繰り返すことになるでしょう。

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