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中小企業を襲う「5重苦」とは?その1 超売り手市場

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(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

現代の中小企業において、人員の確保は戦略的な経営計画をたて実行する能力を担保する上で極めて重要です。ここでは中小企業を襲う「5重苦」の中で最も深刻な「売り手市場問題」にスポットを当て、問題の焦点や具体的な改善策について説明します。

有効求人倍率は2017年4月現在1.45の超売り手市場

今や企業は規模の大小にかかわらず人材が不足しています。2016年末から2017年4月にかけての「有効求人倍率1.4倍越え」は、バブル経済の時代以上の高水準ということになります。

売り手市場という表現は売り手側である就職したい人や学生が優位な立場にあることを意味します。この売り手市場は、採用する立場からいえば、優秀な人材の採用が極めて難しくなってきているということになります。それこそ数年前の感覚でいたら、人材は採用できずに会社は廃業に追い込まれてしまうかもしれません。人材の採用力や定着率に無頓着な経営者、売り手市場になっているということを実感していない会社は極めて危険です。

今や人材紹介会社やヘッドハンティング業務を行っている会社とクライアントである企業の立場は逆転し、企業の担当者が人材紹介会社やヘッドハンティング会社に出向き、頭を下げて「人材を紹介してほしい」とお願いをする時代なのです。つまり人材紹介会社やヘッドハンティング会社がどの企業にどの人材を送り込むかの決定権を握っているのです。

さらに人材採用が困難を極めるだけでなく、優秀な人材は引く手あまたの状態になっていることが状況をより厳しくしています。「優秀な人材が会社を辞め転職をする」という過酷な現実が多くの企業で発生しています。「転職すれば3割増し」というキャッチコピーが社員の中に定着しており、なんとかこの事態に歯止めをかけられないのかと人事労務の担当者は日々頭を悩ませているのです。

優秀な人材を退職させないための評価制度が必要

優秀な人材が会社を辞めないようにするには何が必要なのでしょうか。この課題に対して「評価と報酬の連動」を会社の中で機能させていることが重要となります。会社にとって有益な成果を生む優秀な社員に対して、正当に評価する人事評価制度がなくては人が辞めてしまうのも当然です。

それでは、どれほどの中小企業が評価と報酬の連動を会社の中で機能させているでしょうか。この評価と報酬の連動を管理する人事業務を明確に設計できている中小企業はどれほどあるのでしょうか。残念ながらそういった企業はまだまだ少数派であると思われます。

「労務人事戦略」の必要性

評価と報酬の連動を、人事業務の中で具体的に推進するにはどうすればいいのでしょうか。それを考察する上で今一度「人事」と「労務」の仕事内容とはどのようなものかを確認しておきましょう。

人事の業務としては以下に示したものがあります。
・人員配置 (配置転換、転勤、昇進,異動)
・採用 (経営計画に基づいて必要な人員を確保)
・人材育成 (採用者及び既存社員の教育研修)
・評価制度の策定 (人事制度、評価基準、昇進制度の構築)

一方で、労務の業務は以下の通りとなります。
・給与計算や社会保険の手続き
・福利厚生に関する業務
・就業規則の作成

表記して分かるように労務は書類の作成や手続きに関する業務が中心です。人事と労務はまったく違う業務です。特に人材の採用や育成または各種制度の構築や運営にあたっては、社員の希望や不満を把握する必要があり、人事の担当者には高いコミュニケーション能力が必要になります。つまり社員の本音を収集し、人的経営課題を見つけ出し、解決していくことが人事の重要な仕事であるのです。

厳しい時代は最大のチャンス!

厳しい状況であっても活路は見いだせるものです。人事に関連する各種の制度構築についてはノウハウを外部から得ることも出来る時代です。そのように外部の専門家の力も上手く活用しながら、中小企業がこの超売り手市場を乗り越えていくことも可能なのではないでしょうか。

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