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部長、人生の地図描けてますか?~松本隆博の「ng!相談室」その5~

松本隆博の「ng!相談室」は、仕事が出来る人の行動特性である「コンピテンシー」を用いてお悩みを解決するコーナーです。ng!はno goodではなく「never give up!」。会社員、経営者を経てシンガーソングライターになった松本さんならではの視点からみなさんに金言を授けます!

質問者
過保護って良くないのかなぁ……

松本さん
思春期のお子さんでもいるんですか?

質問者
いえ、ちょっと部下との関わり方に悩んでおりまして。

質問者:50歳・会社員・男性 

求人広告を扱う、従業員約200名の企業で、営業部長として7名の部下を持って働いています。部下はみな真面目に働いてくれているのですが、なかなか大きな仕事を任せることがきません。部下に育ってほしい気持ちはもちろんありますが、目の前の数字を達成させるためにどうしても我慢できずに手を出してしまいます。私がそのように過保護でいるからか、部下も徐々に自分で考えるより、言われたことをただこなすような仕事の仕方になってきてしまいました。どうすれば部下に気持ちよく仕事を任せられ、部下もやる気をもって取り組んでくれるのでしょうか。


ちょっと厳しい言い方をするけど、あなたはまだ「部長」になれていない感じがします。課長のメンタルのまま部長になってしまった人という印象を受けますね。組織によっても役職が担うべき役割は違うのでしょうが、一般的に「月次」のコミットをするべきは課長。「プロジェクト全体」のコミットや、「中期的な展望」を考えるのが部長の役割だと僕は思っています。質問者さんは、目先の数字にとらわれてしまうと仰っていますね。まだ部長のマインドになれていないと思ったのはそのためです。それに、“過保護”とは言うけれど、部下のことより自分のことを考えていませんか?

僕も営業をしていた時期がありますが、営業部長の実務的な現場での役割というのは比較的明快です。それは、新規事業開拓とクロージングの手助け。裁量権を持った部長の存在が、営業現場においてなんと心強いことか。細かな進捗確認は課長の仕事なので、メンバーに対して部長が直接すべきことは、気持ちよく仕事ができるようにご機嫌をとってあげることです。

部下に仕事をまかせてみて、じっと待つことができないというのは、質問者さん自身も少し自分を見つめなおして、なんと言いましょうかまあ自身の器を大きく育てる事も必要だと思うのです。

部下の至らない部分は、マネージャーであれば目について当然。部下の愚痴や粗探しを始めたら、朝から晩まで1日中できてしまうことでしょう。でも、部下の短所を指摘することが仕事になってしまっていてはいけません。上司の器の大きさに、部下は思った以上に敏感です。部長が利己的なふるまいを見せれば、業績のために「利用されている」感覚に陥り、すぐに士気を下げてしまいます。

部下のことを心配する前に、「50代をどう生きるか」をあなた自身が哲学してください。人生100年時代の、言わば丁度折り返し地点です。伊能忠敬という人物を知っていますか。江戸時代に日本全国を測量してまわり精巧な日本地図を作った人です。実は、彼は49歳までは普通の商人だったのです。50歳から天文学に興味を持ち、そしてなんと20歳以上も年下の学者に頭を下げて弟子になったそうです。そこから学び、55歳から17年かけて日本中を行脚したと言われています。

伊能忠敬はまさに50歳を過ぎて人生の地図を描き始めたのです、だからまさに僕はサラリーマンや経営者を経てシンガーソングライターをやっている自分に重ねてしまうのです。質問者さんも50歳。人生は長い、これから先の50年、年下から学ぶという展開があっても全くおかしくありません。年長者と年少者、それぞれに得手不得手があるわけなので、補いながらやっていくこと。「こないだの案件どうなってんだ」が口癖の部長より、「数字なんか気にするな、大事なのは中身だ」と、大きく構えている部長の方が素敵だと思いませんか?

部長職なら人生の中期的な計画も考えてみよう。

松本さん
キミに授けるコンピテンシーはこれだ!

「コンセプトの設定」 F群:戦略・思考
チームが、そして自分自身が、今後取り組むべき課題を一度じっくり考えてみてください。目先の利益のために動いて、長い目で見たときに組織は成長するでしょうか? 答えが分かっていない人は、そもそも課題が分かっていないことが多い。今、自分やチームや組織が置かれている状況を紐解くところから始めましょう。

 

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【松本隆博の「ng!相談室」シリーズ】
・ちんけなプライドなんか、捨てちまえ!~松本隆博の「ng!相談室」その1~
・若者よ、パワハラに負けるな!~松本隆博の「ng!相談室」その2~
・神父のような上司を目指せ!~松本隆博の「ng!相談室」その3~
・“人事を尽くして天命を待つ”余裕を。~松本隆博の「ng!相談室」その4~